かほく市産のプレミアム豚肉でソーセージを手作り。おいしさが評判でリピーターも続々

大塚 信夫さん

大塚 信夫さん

大塚信夫さんは、かほく市内で生産された豚肉「豚輝(トンキー)」を使ってソーセージやベーコンを作っています。豚輝とは、かほく市などで栽培されたお米を混ぜた餌で育てた豚のお肉で、旨みのもとであるオレイン酸を多く含み、柔らかく甘みがあります。大塚さんは豚輝本来のおいしさを味わってもらおうと、添加物をできるだけ使わずに、1本1本丁寧に手作りしています。味付けは能登海洋深層水から取り出した塩や本場ドイツのスパイス。シャキシャキとした歯触りの加賀れんこん、大塚さんが自ら朝摘みしたハーブなど、地物の食材を使ったものもあります。「旨かったから、また買いに来たよという声が一番の励みになります」と大塚さん。かほく市のふるさと納税の返礼品として採用されており、かほく市生まれの高級ブドウ「ルビーロマン」に次ぐ、人気を集めています。

自宅のガレージから
事業をスタート

かほく市に生まれた大塚さんは地元の高校を卒業後、東京の半導体商社に就職。営業成績は優秀でしたが、小さい頃から好きだったものづくりの仕事をしたいと考え、4年後にUターンしました。その後、ガスの配管工事を手がける会社に勤めていた際、仕事でソーセージを手作りする工房を訪れたことが転機となります。「出来たての味に感動しました。これだ!と思って弟子入りし、3年間修業しました」。当初は自宅のガレージを改造した工場からスタートし、2013年6月に念願の工場を完成させました。

工場見学や職場体験も積極的に

大塚さんはサマーフェスタなど地元のイベントへの参加にも意欲的に取り組んでいます。「かほく市の職員の皆さんがとてもフレンドリーで、イベントに出店しませんかと誘ってくれたり、商品開発するときには補助金の申請を勧めてくれたりして、助かっています」。
また、自身が生まれ育った地域の恩返しになればと、小学生の工場見学や中学生の職場体験学習を積極的に受け入れています。創業15周年を迎えた2016年には、自慢のソーセージを味わってもらおうと、かほく市内の全6小学校に約1200本のソーセージを寄贈。会社の壁には児童から寄せられた感謝のメッセージが飾られています。
現在は豚輝に加え、能登産イノシシ肉を使った商品の開発にも挑戦する大塚さん。将来は「後継者を育てて味をつないでいきたい」と意欲を燃やしています。