かほく市幼児造形事業の取り組みについて
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各園の活動(2)【やってみたい!】ひまわりこども園
【8月】4歳児 お花の色ついた!
<触れてみよう>
春、園庭に咲いた桜やつくし、たんぽぽを見つけ楽しんでいました。
たんぽぽを摘むと手に黄色く色が付くことに気付いた子どもの姿を見て、もっともっと自然の不思議さを感じてほしい、草花に触れてほしいと思い、こすり絵ができるように遊びの設定をしました。クローバーの葉やビオラの花びらでは、緑や紫の色が付き、草や花でも色が付くことに驚き、夢中になって様々な草花で試していました。
<試してみよう>
夏、草花を使った色水遊びが盛り上がっていました。
様々な花を混ぜてすりこぎでこすっていくと、ジュースのような色ができたり、薬のような匂いがしたり…発見がいっぱい!
花の色や水の量を工夫し、気付いたことを友達同士で伝え合い、試行錯誤しながら色水をつくっていました。
<感じてみよう>
草花でつくった色水を入れた容器を持ち上げ覗き込むと…。
下から見上げる色水は、太陽の光が差し込みキラキラと光って見えました。
見て、触って、匂いを感じて・・・
五感が刺激されることで「もっとこうしてみたい」という探究心に繋がっているようです。
各園の活動(1)【やってみたい!】高松こども園
【6月】5歳児「タマネギって・・・!?」
<触れてみよう>
4歳児の秋から育ててきたタマネギを収穫しました。しっかりと根が張っていましたが、力を込めると勢いよく大きなタマネギが抜けました‼
<感じてみよう>
収穫したタマネギを焼くと、ホットプレートをのぞき込み、焼ける音やにおいに期待が膨らんでいるようでした。焼いたタマネギはとっても甘くおかわりして、あっという間に完食でした。
<表現してみよう>
育てた野菜にもっと興味をもち、収穫の喜びを味わってほしいとねがい、収穫後に絵をかく場を設けました。実際より大きく、画用紙いっぱいのタマネギ。くたっとなった葉。周りを根っこで埋め尽くされたタマネギ。いろいろな色を混ぜて表現した皮。想像力はどんどん広がり…。土に埋まっているタマネギ。かわいい顔がかかれたタマネギ。タマネギ模様のネコ。子どもの表現は十人十色。どれも、一人一人の個性が感じられる素敵な絵となりました。
保育参加の懇談会では、子どもの思いがつまった絵についても話し合いました。普段は知り得なかった子どもの思いに気付き、驚く声も聞かれました。
2023年度(令和5年度)幼児造形事業成果報告
2023年度の「幼児造形事業」の活動につきまして、金城大学短期大学部特任教授森田ゆかり氏より成果報告が提出されましたので公開いたします。
取り組み(9)大海こども園
【2月】0歳児 「様々な素材を使った造形遊びを楽しむ」
〈音遊び〉
透明マットに入った鳴き笛、毛糸、スポンジ、クッションビーズなどの気になる素材を手で撫でたり指で押したり足で踏んだり…。クッションビーズは、動かしたり振ったりするとシャカシャカ鳴る音に気付き、繰り返し鳴らし音を楽しんでいました。透明容器の穴にチェーンや薄いカードなどを入れたり出したりする遊びでは、容器を振ってカタカタ鳴らしていました。落とす時の音だけではなく、振る、ぶつけ合う、叩き合わせるなど、いろいろな動作を試しながら変わる音遊びを楽しむ姿が見られました。
〈素材遊び〉
紙管を持ち、転がす、積みあげる、並べる、叩き合わせる、筒の中を覗き目に当てるなど手や指を使って夢中になって試していました。ふわふわ、つるつるとした感触の布(オーガンジー)に興味津々で、柔らかい生地を顔にくっつけたり、頭からかぶったりしながら感触を楽しみ、ひっぱったり、いないいないばぁをしたり繰り返し遊んでいました。
<自然と遊ぼう>
散歩に行くと、落ち葉を見つけ匂いを嗅いだり、お散歩バックに入れたり、バックを振って音を確かめたりしていました。落ち葉の上を一歩ずつ歩きながら感触を味わい大好きな散歩を楽しんでいました。
取り組み(8)金津こども園
【12月】1歳児 「様々な素材の感触を楽しむ(フィンガーペインティング、お花紙、風船、ステンドカラーシート)」
<フィンガーペインティング>
フィンガーペインティングとは、手や指で直接絵の具に触れ、その感触や色の混ざり具合を楽しむ遊びです。今回は「ゆびえのぐ」という絵の具を使いました。保育者が紙の上に絵の具を出すと、絵の具が出てくる様子や出した後の絵の具をじっと見つめ、初めて出会う素材をまずは目で見て感じていました。指先から少しずつ触り始め、徐々に手全体でぬりぬりと触り、視覚の次は触覚で素材の感触を確かめている様子でした。感覚を十分に働かせて遊ぶことが、豊かな感性や表現に繋がっていきます。
<お花紙>
お花紙という薄くて柔らかい紙で遊びました。床を拭く雑巾がけのようにして遊んだり、「いないいないばあ」をしたり、頭に乗せたりと、子どもたちから遊びのアイデアがどんどん出てきます。破れることに気付くと、ビリッと思いきり破ったり、集中して細かく破ったりし、お花紙という素材ならではの感触や面白さを感じられたようです。
<風船>
鈴やビー玉が入った風船では、振った時の音や手に伝わる振動を味わう姿が見られました。ビー玉が入った風船を何度も投げてじっと目で追う姿も見られ、不規則に揺れる不思議さを感じているようでした。素材と関わる中で、感触や音、動きなど、それぞれの発見が見られます。風船を入れた圧縮袋では、上に乗って体を揺らし、弾む感覚を楽しんだり、気持ちよさそうに寝転んだりし、全身を使って感触を味わっていました。
<ステンドカラーシート>
ガラスに貼り付く、透明感のあるカラーシートで遊びました。窓に貼ったり剥がしたりするだけでなく、自分の手や棚、壁、玩具など様々な場所にシートを当て、貼り付くか試しているようでした。「まるまる!」「しゃんかく!」と形への興味にも繋がったようです。顔に付け、シートを通して見るカラフルな景色を楽しんだり、カップに入れたりと、遊び方は十人十色です。
取り組み(7)みずべこども園
【10月】2歳児 「様々な素材(氷絵の具・寒天・片栗粉・クレヨン)との出会い」
<氷絵の具(色水を凍らせたもの)>
「つめたい~」と氷の感触を楽しみながら氷絵の具で遊びました。触っていると手や足に色が付き、その手足を紙に「ぺったん」と押し当てたり、踏んだりして手形足形が付くことを楽しみました。氷が段々小さく(溶けて)なっていくことに気付いたり、溶けた色水をジュースに見立てて「イチゴジュースや」「いらっしゃいませ~」と友達や保育者とやり取りを楽しんだりする姿も見られました。
<寒天>
冷やした寒天を目の前にすると「なんだろう」「ぷにぷに~」「つめたいね」と感じたことを思い思いに発する姿が見られ、ぎゅっと握って手からはみ出してこぼれ落ちる様子を楽しんだり、カップに入れてキラキラゼリーに見立てたりして遊びました。
<片栗粉>
水に溶かした片栗粉を見ると「なんじゃこりゃー」と、そっと指先でつついてみたり、手のひらいっぱいを使って「きもちいい~」と確かめるように何度も触ったりして初めての感触を十分に楽しみました。スプーンやカップを使ってご飯に見立てたり、手ですくった片栗粉がドロッと流れ落ちる様子をのぞき込んだりする姿も見られました。
<クレヨン・スクラッチ遊び>
色が重なった部分にたまたま爪が当たり、削れたことを面白がる姿が見られたので木の棒で削ってみました。下の色が浮き出たり削ったクレヨンが固まりになったことに不思議さを感じたりし「いろ、ついた!」「とれた~」と手がクレヨンだらけになっても気にすることなく、夢中になって遊び続けていました。
取り組み(6) 新化こども園
【8月】3歳児「こんなのできたよ ~見立てのはじまり~」
これまでたくさんの素材との出会い、かく、切る、貼るなどの行為を楽しんできた子どもたち。年少組になり、さらにその楽しさが続くような活動を行っています。
<はさみ・のり遊び>
はさみでは、一回切りから連続切りを楽しむようになり、偶然できた形を「歯ブラシみたい」「ヘビみたい」と見立て、保育者や友達との会話、言葉での表現が豊かになってきているのを感じます。模造紙にでんぷんのりを両手いっぱい使って広げ感触遊びを楽しんだ後に、ハサミで切った紙を上からばらまきました。箱に集めた切り紙を一気にひっくり返す子、一枚ずつひらひらと落とす子、友達がパラパラとまき散らす様子を見ている子、それぞれの楽しみ方があったようです。
<タックシール遊び>
様々な色のタックシールから自分の好きな色を選び、次々に貼りだす子どもたち。ランダムに貼る子や一列に並べて貼る子、重ねて貼る子など、一人一人違う姿が見られ、『次はどこに貼るのかな?』と見ている方も面白さを感じます。貼ったシールの形がいろいろな物に見えてきて「パイナップルみたい」「ブルドーザーできた」と大発見のように伝えに来ます。また、友達の真似をして貼り「同じ模様ができた!」と一緒に喜び合うなど年少児らしい姿がみられます。
取り組み(5) ちびっこアート展 しらゆりこども園
【6月】5歳児「イメージしたことを形にしてみよう~かいたり・つくったり・組み合わせたり~」
空き箱や紙芯、プリン等の空き容器やトレーは子どもにとっては魅力的な素材。それらを組み合わせてジュースやドールハウス、お面、ロボットなど、イメージしたものを形にすることを日々楽しんでいます。形にしていくなかで、接着の方法や素材と画材の相性等に気付いたり発見したり、いろいろと試しながらつくっています。他に、手指の力や集中力を必要とするカプラやラキューにも挑戦しています。
戸外では光や風や植物等に触れ、五感を豊かに働かせて遊び、その経験がイメージしたものをつくることにもつながっていきます。また、『あそびのしょうかい』の時間を通して、友達のつくったものやアイディアに触れることも子どもの楽しみの一つとなっています。
2022年度(令和4年度)幼児造形事業成果報告
2022年度の「幼児造形事業」の活動につきまして、金城大学短期大学部教授森田ゆかり氏より成果報告が提出されましたので公開いたします。
取り組み(4) ちびっこアート展 はまなすこども園
【1月】4歳児「フロッタージュと花紙遊び」
園庭や散歩でいろいろな秋を見つけました。見つけてきた落ち葉の上に紙を置き、鉛筆などでこすりだす【フロッタージュ】という技法を楽しみました。花紙遊びでは、薄い花紙をのりで貼り合わせる難しさに気づいたり、友達と一緒に大きな柿の木を作ったりし、できあがった柿の木は表現会での「さるかに」に登場しました。
指先を器用に使うことや、集中力が必要となってくるラキューやビーズにも挑戦し、イメージしたものをつくる楽しさを感じています。
取り組み(3) 公開保育
【8月】5歳児「水・砂・泥と遊ぼう」 ひまわりこども園
雨樋を使って水を流して遊んでいる時にできた水たまりを「海みたい」「温泉みたい」と見立て、温泉づくりが始まりました。戸外に置いてあったペットボトルの水が温かくなっていることに気付くと、園庭のあちこちにペットボトルを置き、どこに置いたら温まるのかを考え、お湯づくりを試みていました。掘った穴に温まったお湯を順に運んで溜める、「恐竜が見える温泉にしたい」と廃材でつくった恐竜を飾るなど、友達と一緒に試したり工夫したりしながら遊んでいました。
【9月】2歳児「好きな遊びを楽しもう」 高松こども園
子どもが自分から遊びだしたくなる環境が大切であると考え、常に遊びの環境を見直してきました。当日、粘土遊びを選んだ子どもは、自分でシートを広げ必要な物を準備し遊び始めました。こねたり、伸ばしたり、ちぎったりと感触や行為を楽しむ姿や、形が変化し見立てて遊ぶ姿が見られ、傍で見守る保育者に「先生、見て~!かいじゅうできた」「これ、チーズだよ」と満面の笑みで自分の思いを言葉で伝え、楽しさを共有していました。
【10月】公開保育検討会
公開保育の動画を視聴した市内の保育者が集まり検討会を行いました。担当者から当日の様子を聞き、グループワークでは質問や意見、感想など活発な話し合いが行われ、金城大学短期大学部幼児教育学科森田ゆかり教授から助言を頂きました。検討会での学びを各園で共有すると共に日々の保育に活かし、今後も造形活動を楽しみたいです。
取り組み(2)
かほく市幼児造形事業の取り組みが『美育文化ポケット2022Summer34』※に掲載されました。
かほく市内の認定こども園と保育園では、公開保育や検討会、実技研修等を重ね、金城大学短期大学部教授森田ゆかり氏にアドバイスを頂きながら、「造形」について学び合い、子どもが“やってみたい”という意欲・主体性を育む造形活動を積極的に取り入れています。今後は各園での取り組みや子どもの遊びの様子をお知らせしていきたいと思います。
※公益財団法人 美育文化協会 発行
取り組み(1)
かほく市では2018年度より「幼児造形事業」が始まり、公・民の枠組みを超えて地域全体で取り組んでいます。日々の造形活動を通して「好奇心」や「感性」、「感じたことや考えたことを表現する力」、「創造性」が育ち、こどもの『健やかな心と体の成長』を促すことを願っています。
実践研究会(公開保育)などを通して「造形」について学び合う中で、作品をつくること、描くことばかりが造形ではなく、さまざまな物を見たり触れたりしながら感覚を豊かにしていくこと、試行錯誤のプロセスが大切であることを学び、職員間で話し合い協力しながら造形活動を行っています。
「造形事業を楽しむ園児たち」
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