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令和3年度施策方針(令和3年2月22日)

市政全般にわたる報告

本日ここに、令和3年第1回かほく市議会定例会を招集致しましたところ、議員各位には、公私とも何かとご多用のところご出席を賜わり、厚くお礼を申し上げます。
開会にあたりまして、一言、ご挨拶を申し上げます。

1年間の市政状況等

早いもので、令和2年度もあと残すところ1カ月余りとなりました。
今月末で合併して丸17年となり、いよいよ来月からは18年目に入ることとなります。私にとりましても昨年3月の市長選におきまして、無投票当選により5期目の舵取りの栄誉をいただき、皆様からの信頼とご期待にお応えするため、新たな決意と覚悟で活力みなぎる元気な「かほく市」の実現を目指して、誠心誠意、そして全力で取り組んできたところであります。
ご承知の通り、この1年は、新型コロナウイルス感染拡大への対応に追われるとともに、これまでの日常生活に大きな変化を与える年となりました。かほく市においては、昨年2月に石川県内において初の感染者が確認されたことを受けまして、早々に感染症対策本部を立ち上げ、全世帯へのマスクの配布、消毒液の手配、更には、各種イベントの中止や小中学校を臨時休業とするなど、感染拡大防止のため、市民の皆様の安全・安心を第一に、様々な対策を講じてまいりました。
また、新型コロナウイルス感染拡大を受け、困窮する市民生活を下支えするため、国、県の施策以外に市独自の事業として、子育て世帯やひとり親家庭に対する生活支援金の給付、市内事業者への支援策として「かほく市事業継続緊急給付金制度」を創設、また、市商工会と連携しながらプレミアム商品券を発行するなど、市内中小企業を積極的に下支えしてまいりました。
今もなお、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明な状況にあることから、引き続き、感染症対策を講じていくことはもちろんでありますが、現在、最も大きな課題となっておりますワクチン接種につきまして、先週19日に県内で医療従事者への先行接種が開始されたことを踏まえ、市の役割となる市民の皆様への接種につき、しっかりと対応をとってまいる決意をいたしております。
令和2年度は、準通年型でスタート致しました当初予算を6月補正で肉付けし、このようなコロナ禍においても、かほく市がさらなる進歩を遂げるよう、これまでの「地方創生」の流れを止めることなく、さらに発展させていくため、「第2期地方創生総合戦略推進計画」を基に、「次代の成長に向けた活力あるまちづくり」、「親子にやさしいまちづくりと教育環境の充実」、「健康増進といきがいのある暮らしの実現」、「公共施設の再生と良好な居住環境の整備」の4つの柱を機軸として重点的に取り組んでまいりました。
改めて振り返ってみますと、まず1つ目の「次代の成長に向けた活力あるまちづくり」についてであります。
総合戦略において定住促進策の柱として継続して取り組んでおります「若者マイホーム取得奨励金」及び「新婚さん住まい応援事業」につきましては、制度開始以来、最多の申し込み件数となる見込みであり、新型コロナウイルスの影響を大変懸念しておりましたが、このような申請状況に安堵しているところであります。
また、市の将来に向けた新たな地域振興につなげるとともに、賑わい創出の核として取り組みます「(仮称)かほく市総合体育館」整備事業につきましては、来月下旬に事業者選定を行い、6月定例会では施設整備、運営事業者を提案させていただくこととしております。
そのほか地域の特産品開発や新規の創業者を支援するなど、交流人口の拡大、地域産業の活性化にも積極的に取り組んでまいりました。
次に、2つ目の「親子にやさしいまちづくりと教育環境の充実」についてでありますが、子育て支援につきましては、合併以降、特に重点的に取り組んで来たものであり、昨年度から実施しております「幼児教育・保育の無償化」、保育料の軽減策や「副食費」の無償化について、市の独自事業により国の施策に上乗せ拡充し、子育て世代の経済的負担の軽減に取り組んでいるところであります。
また、こども園の入園申し込みの増加に伴い、官民一体となり保護者の入園希望にできる限り沿うよう支援策を講じ、保育サービスの充実に努めております。
教育に関しましては、小学校における35人以下学級の実施、英語教育の推進について継続して取り組んだほか、本年度からすべての小中学校に学校司書を配置するとともに、いじめ対策、不登校支援など教育の多様化する課題、ニーズに対応するため、教育センターを中心として、市内全ての中学校に教育相談員を配置し、効果的な対策を講じているところであります。
学校施設では、市内全小中学校の普通教室、特別教室に空調設備を整備するとともに、昨年10月の七塚小学校長寿命化改修工事の完成により、これまで重点施策として計画的に進めておりました、小中学校の大規模な長寿命化改修事業がすべて完了することとなりました。
また、ICT教育を推進するため、児童、生徒に対し1人1台のパソコン端末の配置と合わせ、通信設備の整備、デジタル教材の充実を図り、新学期からは本格運用となるものであります。
次に、3つ目の「健康増進といきがいのある暮らしの実現」についてでありますが、市民の皆様の健康づくりへの取り組みの1つとして進めております「健康ウォーキング事業」において、昨年の8月から県のいしかわスポーツマイレージの歩数データを活用した新たな取り組みを開始し、多くの市民の皆様に参加していただいており、市民の皆様お一人おひとりの、健康の維持・増進への意識が浸透していると感じているところであります。
また、これまで高齢者の健康づくりとして継続して推進してまいりました「めざせ いきいき百歳体操」に加え、自宅でできる体力アップを目指した「かほくプラチナ筋力アップ体操」を新たに作成し、ケーブルテレビで放送をしております。コロナ禍により外出が制限される中においても、家庭の中で健康づくりに取り組むことができ、皆様から評価をいただいており、引き続き健康維持、体力向上につなげていただきたいと考えております。
次に、4つ目の「公共施設の再生と良好な居住環境の整備」についてでありますが、防災対策では、これまで同様、各町会区のご協力をいただきながら、防災士の育成や自主防災組織の活動への支援を、引き続き実施しております。
また、昨年4月には、河北潟、宇ノ気川などの浸水想定区域の見直しによる、新たな洪水ハザードマップを公表しており、今後も防災対策を着実に進めるとともに、避難所施設の充実に努め、地域と連携し協力をいただきながら、市民の皆様の安全、安心に取り組んでまいりたいと考えております。
居住環境の整備につきましても、公共施設の再生として進めております、アクロス高松、宇ノ気体育館、うのけ総合公園のリノベーション事業など体育施設の長寿命化等が完了したほか、谷公園再整備事業につきましては、悪天候が続く冬期間や真夏の炎天下でも、「子どもが年間を通してのびのび遊べる空間」として、大規模屋内遊戯施設や乳幼児のプレイスペース、子育て相談ルーム等の整備を、本年度中の完成に向けて鋭意取り組んでいるところであり、子育て支援施策の新たな拠点として機能させることとしております。
また、生活道路の維持改修などの地区要望や児童生徒の通学路の安全対策に関し、順次工事を進めているほか、冬期の除雪対策についても万全の備えで取り組んでまいりました。加えて、上下水道施設等の防災対策にも鋭意取り組んでおり、今後も震災などの災害に対する備えを、着実に進めてまいりたいと考えております。
そのほか、今年度が新たなスタートの年となりました「第2期かほく市創生総合戦略推進計画」に基づき、かほく市の新しいまちづくりに積極的に取り組んでまいりました。
その結果、全国的に人口が減っている自治体が多い中、かほく市では、6年連続で人口が増加する見込みであります。
このように、これまで実施してまいりました各種施策の成果が少しずつ実を結び、実数として現れていることを大変うれしく思っており、まちづくりの方向性に間違いはなかったと考えているところであります。
令和2年度は、冒頭にも申し上げたとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初予定しておりました多くの事業やイベント等の中止を余儀なくされました。このような中においても、これまでの「地方創生」の流れを止めることなく、さらに発展させていくための各種施策について、効果的に実施できたものと捉えております。

今後の市の展望

さて、今後のかほく市の展望についてでありますが、国内外を問わず猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響により、経済状況は大変厳しく、先行きを見通せない状況ではありますが、これまで同様、新型コロナウイルス感染症対策については、市においても、必要があれば躊躇なく、最優先で必要な対策を市民の皆様のために講じていかなければならないと考えております。
このような厳しい状況下であっても、かほく市のまちづくりを一歩ずつ歩みを止めることなく進めて行かなければなりせん。
来年度は、合併して18年目を迎えます。次の10年、20年に向けて、現在の流れを未来につなげ、大きく飛躍するためにも、新型コロナウイルスの影響や国の施策等を十分注視しながら、「第2期かほく市創生総合戦略推進計画」を形にしていく必要があります。
少子高齢化が早いスピードで進行する中、幅広い社会保障関連の施策や各種市民サービスの充実を目指していくためには、これまで以上に財源の確保が必要となります。
そのためにも、現在実施中の「総合計画」及び「総合戦略」を柱に、より一層の「選択」と「集中」により、地域の活性化を図りながら、着実かつ機動的な財政運営を目指していくことが重要であると考えております。

まとめ

このようなことからも、令和3年度は、ポストコロナの条件の下に、新しい生活様式による、新たなかほく市として進歩していくために、これまで取り組んでまいりました総合的なまちづくりの施策を土台として、さらに住みよさに磨きをかけ、「住みよいまち」、「選んでもらえるまち」の実現に向け、かほく市創生の流れを止めることなく、今まで以上に積極的な市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、議会の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、本定例会に際しましての私の挨拶といたします。

施策方針

それでは、只今から提案理由の説明を申し上げます。
本日ここに、上程致しました議案第1号から第40号までの議案40件並びに同意2件につきまして、一括してその大要をご説明いたします。
少し長くなるかと思いますが、議員各位には、ご理解の上ご容赦を賜わりますようお願いいたします。
まず、議案第1号から議案第10号までの各会計の令和3年度当初予算についてであります。
この令和3年度当初予算につきましては、去る2月12日に開催いたしました予算内示会において、その概要を説明させていただいたところでありますが、いま一度、基本的な部分を中心にご説明申し上げたいと思います。

当初予算の編成方針について

まず、当初予算の編成方針についてでありますが、かほく市の令和3年度当初予算につきましては、国の予算編成において、新型コロナウイルス感染症対策として令和2年度第3次補正予算を、令和3年度当初予算と一体として編成していることから、かほく市においても、国の施策に合わせた15カ月予算として整理し、予算を編成しております。
また、令和3年度は、これまでの流れを止めることなく、将来にわたってかほく市の発展につなげていくための「第2期総合戦略」の推進項目を本格的に形にしていく重要な年であると認識しております。
このようなことから、基本的な方針として「住んでよかったと思えるまち、住みたくなるまち」を目指し、重点施策の1つ目に「安心して暮らせる、魅力あるまちの実現」、2つ目に「若い世代の希望をかなえる子育て支援の充実」、3つ目に「健康増進といきがいの創造」、4つ目に「公共施設の再生と良好な居住環境の整備」、5つ目に「新しい生活様式への対応」、以上の五本柱を機軸として編成したものであります。
また、現在のコロナ禍のなかで喫緊の課題として、「新型コロナウイルス感染症への最大限の対応」、「北部交流ゾーンの活性化」、「市民全てのライフステージでの健康づくり」、「行政のデジタル化の推進」等にしっかりと取り組んで参りたいと考えており、より一層住みよさに磨きをかけ、かほく市が持続的に発展するための新たなまちづくりを進める決意をいたしております。

当初予算の全体像について

次に、当初予算の規模など全体像について申し上げます。
まず、一般会計についてでありますが、予算規模は、158億2千万円とし、前年度と比較しますと8千万円、率にいたしまして0.5パーセントの増となるものであります。
また、一般会計の歳入の状況について申し上げますと、歳入の根幹である市税につきましては、39億4285万3千円、前年度と比較いたしますと約2億5100万円の減としたものであります。
これは、個人市民税、法人市民税ともに、新型コロナウイルスによる経済活動への影響から大幅な減収になると見込んでおり、また、固定資産税、都市計画税につきましても、定住促進策の効果による新規転入者の増により、住宅建設は堅調ではありますが、新型コロナウイルス感染症対策による減免措置等に加え、令和3年度は評価替えの年にあたるため、ともに、減額とするものであります。
地方交付税につきましては、普通交付税で51億2千万円、特別交付税で4億円、合わせて55億2千万円と、新型コロナウイルス感染拡大による市税の落ち込みや、譲与税、交付金等の減収の影響分等を勘案し、前年度と比較いたしますと6千万円の増を見込んだものであります。
次に、繰入金についてでありますが、下水道事業会計の企業会計制度導入時から行っております市債の減収分の補てんのほか、昨年度から導入された会計年度任用職員制度による財源を確保するため、財政調整基金から3億5千万円を繰り入れるものであります。また、地方創生、地域の活性化に活用するため、まちづくり基金2億円を、さらに、アクロス高松の長寿命化改修工事等にスポーツ振興基金から3千万円を繰り入れ活用するものであります。
市債につきましては、12億4820万円、前年度と比較いたしますと2億6300万円の増となるもので、これは、国の地方財政計画に基づき、市税等の減収分を臨時財政対策債の発行により確保するためのものでありますが、市が借り入れる臨時財政対策債は、後年度に償還する元利金の全額が交付税算入されることとなります。
市営バス事業特別会計をはじめとする7つの特別会計の予算規模につきましては、合計で70億8960万4千円余りとなり、前年度当初予算と比較いたしますと701万6千円の減となるものであります。
また、上水道事業及び下水道事業の企業会計では、収益的収支でそれぞれ黒字を見込んでおり、資本的収支では、計画的に実施する施設の長寿命化対策や耐震化などの防災、減災対策等に計画的に取り組むものであります。

令和3年度の主要施策について

続きまして、一般会計の歳出のほか特別会計を含む当初予算全体を総括した概要について、先ほどの5本柱の重点施策に沿って主な事業についてご説明いたします。
まず、1本目の柱、「安心して暮らせる、魅力あるまちの実現」についてであります。
先ほども申し上げましたが、令和3年度はこれまでの各種施策の実践による人口増加の流れを引き続き継承するとともに、将来にわたってかほく市の発展につなげていくための「第2期総合戦略」の推進項目を本格的に形にしていく重要な年であり、これまで以上に人が集い、住んでいただける魅力あるまちの実現を積極的に推進する必要があると考えております。
その1つと致しまして、将来を見据えた活性化の取り組みとして、市内全域の均衡ある賑わいの創出、活性化を図るため、北部エリアで位置づけをしている北部交流ゾーンについて、令和3年度から、地域おこし協力隊の力を活用しながら、基本構想を基にした実施プランの実現に向け、着実に取り組むこととしており、現在、協力隊員を募集しているところであります。
また、平成30年度から進めております「(仮称)かほく市総合体育館」整備事業についてでありますが、来月下旬までに事業者の選定を行い、本年6月定例会において施設の整備、運営事業者を提案させていただくこととしており、令和3年度末には工事に着手する予定としております。同時に、総合体育館の整備に併せまして、スポーツと地域の資源を掛け合わせたまちづくり、地域活性化に取り組む連携組織として、市のスポーツ団体を始め大学、経済団体、民間企業などからなる(仮称)かほく市スポーツコミッションの設立に向けて、新年度から準備を進めることとしております。
次に、「定住促進策」でありますが、これまでも多くの利用実績があり、高い評価を得ております「若者マイホーム取得奨励金」、「新婚さん住まい応援事業」について、引き続き定住促進策の柱として取り組むこととしております。
また、これからも交流人口を増やし、さらなるかほく市の賑わいを創出していかなければなりません。そのため、市内外への情報発信の強化を図る一環として、ふるさと大使を活用したプロモーション活動の実施、テレビCM、ユーチューブを利用した市のバンパー広告などにより、かほく市の魅力をさらに知っていただくために「シティプロモーション」を積極的に展開してまいります。
次に、地域産業の活性化に向けた取り組みとしては、市内で生産、製造された地場産品や加工品などを「かほく市特産品ブランド」として認証し、広く情報発信するとともに、ふるさと納税寄附金の返礼品としての活用を図ることとしております。
農業振興では、全国的にも課題となっております、農業の後継者不足への対応として、新たな担い手を確保するため、農業研修への支援や就農時の機械購入支援などに引き続き取り組むとともに、新たに活動支援として、基金を創設するとともに、ふるさと納税の使い道メニューの1つとして「若手農業者の育成」を追加し、寄附を募ることとしております。加えて、ほ場整備やため池の長寿命化事業など、基盤整備にも引き続き取り組むこととしております。
また、これまで実施してまいりました地域農産物ブランド化事業において、学校給食に、かほく市で収穫された野菜や一等米などをこれまで提供してまいりましたが、新年度からは、新たに「ふるさと給食の日」を毎月1回設け、これまで以上に地元食材や加工品を提供し、子どもたちに地域の食文化への理解を深めてもらうこととしております。
次に、2本目の柱、「若い世代の希望をかなえる子育て支援の充実」についてであります。
まず、子育て支援策でありますが、令和元年10月からの消費税の改正に伴い「幼児教育・保育の無償化」制度がスタートし、国の無償化制度に合わせたかほく市独自の事業として、保育料の軽減策や「副食費」の無償化につきましても取り組みを継続し、子育て世帯の負担軽減を図ることとしております。
また、国の方針として核家族化の進展などにより子育て世帯が孤立しないよう、地域での子育て支援の拡充が強く求められていることから、新たに、民間活力を活用した子育て支援センターの開設を予定しております。この開設によりまして、現在、休所中の七塚子育て支援センターを含めますと4施設となるものであります。
現在、小学校の全学年を対象としている学童保育につきましては、市の南部地域においてクラブを利用する児童数が多くなっていることから、七塚地区においては、これまで外日角小学校、七塚小学校の改修に併せて校舎内に学童保育クラブを拡充し開所いたしました。加えて、新年度は宇ノ気地区においても宇ノ気第3学童保育クラブを、大崎地区にある宇ノ気南部体育館内へ移設し、体育館の長寿命化改修と合わせて整備し、令和4年度からの開所を予定するものであります。
そのほか、現在、開設に向け工事を行っております、谷公園再整備事業の「あそびの森 かほっくる」は、4月中のオープンを予定しております。悪天候が続く冬期間や真夏の炎天下でも、子どもが年間を通して、のびのび遊べる空間として、また、親子がふれあえる施設として、たくさんの子どもたちが来場してくれることを楽しみにしております。
次に、教育の充実では、小学校における35人以下学級の実施のほか、英語教育の推進について継続して取り組むとともに、いじめ対策、不登校支援など教育の多様化する課題、ニーズに対応するため、教育センターを中心として、市内全ての中学校に教育相談員を配置し、児童生徒の心のケアに引き続き取り組むこととしております。
加えて、令和3年度から、スクールサポートスタッフを増員し、学校現場における業務の負担軽減を図ることにより、児童生徒に対する指導時間をより多く確保することとしております。
学校施設では、ICT教育を推進するため、今年度から取り組んでおります、児童、生徒への1人1台パソコン端末の整備に合わせ、通信設備の整備やデジタル教材の充実を図り、新学期からは本格運用となるものであります。合わせて、各家庭におけるオンライン学習環境を支援するため、学習通信費を就学援助制度に新たに追加することといたしました。
また、外日角、七塚小学校の長寿命化改修が終了したことから、学校校舎のトイレの洋便化に取り掛かることとし、整備率が低い高松小学校から順次整備に取り掛かり、全ての小中学校を洋便化することとしております。
次に、3本目の柱「健康増進といきがいの創造」についてであります。
まず、市民の皆様の健康づくりへの取り組みの1つとして取り組んでおります「か歩く健康ウォーキング事業」についてでありますが、昨年から、県のいしかわスポーツマイレージの歩数データを活用するとともに、これまでの、活動量計を活用したウォーキング事業と合わせて継続的に実施しております。こういった事業に参加することで健康増進への意識が浸透してきているのではないかと感じております。今後も、ウォーキング事業などを通して、市民の皆様が楽しみながら歩くことを習慣化し、健康維持に取り組んでいただきたいと考えております。
また、高齢者の健康づくりでは、継続して推進してきました「めざせ いきいき百歳体操」に加え、自宅でできる体力アップを目指した「かほくプラチナ筋力アップ体操」についても非常に好評であり、自主的に取り組むグループが増えております。このような健康に関する取り組みにより、市民の皆様のさらなる健康の維持増進に加えて、市民の皆様同士の健康の輪が広がることを期待するものであります。
令和3年度も引き続き、特定検診やがん検診などに積極的に取り組み、生活習慣病予防や重症化予防につなげることとしております。また、新たに保健・医療・介護との連携のもと、高齢者の心身の多様な問題に対し、きめ細かな支援を行うため、保健事業と介護予防の一体的な推進を図り、骨折、認知症、心不全などのフレイル対策に取り組むことといたしました。
そのほか、予防接種の推進、高齢者を始め障がい者、障がい児の福祉の充実、生活困窮者への支援など、これまで同様、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
国民健康保険事業では、医療費抑制のための人間ドックへの助成、ジェネリック医薬品の普及促進、40歳以上を対象とした特定健診、保健指導を引き続き推進していくこととし、医療費を抑制していくためにも、市民の皆様の健康づくりを積極的に支援してまいります。
さらには、介護保険に関する事業では、介護度の悪化や進行を遅らせるため、介護予防と日常生活の総合的な支援事業にさらに力を入れることとし、保険給付のみならず、社会の様々な分野の方が軽度の介護者、要支援者の方を、見守り、サポートする事業についても拡充して実施することとしております。
次に、生涯学習活動では、「コミュニティスクール」や「かほく子ども夢プラン」の2つの取り組みに加え、これまでも実施してまいりました「市民大学校」や「市民交流大会」などを、より充実して展開していくこととしております。
また、昨年開催を予定しておりました東京オリンピック・パラリンピックが、新型コロナウイルス感染拡大により今年に延期されたことから、改めて聖火リレーに関する経費を計上するほか、パラスポーツの普及啓発にも努めてまいりたいと考えております。「コロナに負けない」というこの全人類の思いを、日本からオリンピック・パラリンピックを通じて全世界に発信し、元気を取り戻すことができるよう期待するものであります。
また、体育施設の長寿命化事業では、宇ノ気南部体育館、アクロス高松の長寿命化工事のほか、うのけ総合公園陸上競技場の3種公認に係る更新工事を実施することとしており、市民の皆様に出来るだけ快適に使用していただくため、計画的に改修を行うこととしております。
そのほか、かほく市の歴史を後世に伝えていくための、市史編さん事業でありますが、令和15年を1つの目途に作成することとしております。令和3年度は、実施に向けた体制づくりに取り掛かることとしております。
次に、4本目の柱、「公共施設の再生と良好な居住環境の整備」についてであります。
まず、市民の皆様の安全、安心に関する施策についてでありますが、防災対策において、これまで各町会区のご協力を頂き推進しております、防災士の養成や自主防災組織の活動の支援につきましては、引き続き実施することとしております。また、市の防災訓練につきまして、今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止といたしましたが、近年の集中豪雨による浸水被害、土砂災害に関連した避難所開設訓練などを、宇ノ気地区で実施することとしております。
さらに、災害時の情報伝達の1つとして、防災行政無線に加え、これまで防災行政無線の放送内容を自動的に固定電話に音声で通知するシステムを導入しておりますが、今回、聴覚障がい者などを対象とした情報伝達の1つとしてファックスを利用した送信システムを新たに導入するものであります。
そのほか、交通安全、防犯対策では、グリーンベルトの整備による通学路の安全確保のほか、これまでと同様、カーブミラーの設置、区画線の整備、防犯灯の修繕やLED化などの地区要望に対応するとともに、空き家対策にも引き続き取り組むこととしております。
社会基盤の整備では、これまで取り組んでまいりました生活道路等に係る地区要望に対し、2億円の予算枠を引き続き確保するとともに、社会資本整備総合交付金などを活用した道路改修などを進めることとしております。
上下水道施設の整備に関しましては、管路や浄化センター施設、設備の長寿命化、防災対策に係る工事について重点的に取り組むこととし、特に、下水道事業の農業集落排水では、各浄化センターの効率化を目指した施設の統廃合についても、国の補助金を活用しながら引き続き計画的に進めてまいりたいと考えております。
そのほか公共施設の維持、改修につきましては、施設ごとの長寿命化計画を基に、緊急性の高いものから順次計画的に進めることとしております。
次に、5本目の柱、「新しい生活様式への対応」についてであります。
まず、市民の皆様の新型コロナウイルスワクチン接種を円滑かつ迅速に進めるため、この2月8日に「かほく市新型コロナウイルスワクチン接種推進本部」を設置いたしました。現在、関係機関と65歳以上の方の4月からの接種実施に向けて協議を進めているところでありますが、接種会場を河北台健民体育館1カ所とする集団接種を基本とし、国、県の指導の下、4月上旬から開始する計画としております。
そのほか、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としまして消毒液、マスク、防護衣の追加備蓄、学校、児童施設の感染対策に係る経費を、新型コロナウイルスワクチン接種費用同様に、令和2年度の補正予算として計上し、15カ月予算として盛り込んでおります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、今後の感染症の克服に向けた「新たな日常」の原動力になるデジタル社会の実現に向けて、市の組織体制を見直すことといたしました。具体的には企画情報課内にある情報推進室を情報推進化課として独立させ、全庁挙げて行政のデジタル化に取り組むこととしております。
取り組み内容としましては、行政手続きのワンストップ化によるおくやみコーナーの開設を始め、各種申請のオンラインでの受付、キャッシュレスの導入、LINEでの情報発信、さらには、公共施設でのWiFiの整備などを遅れることなく取り組んで行くこととしております。
以上、令和3年度の当初予算に盛り込んだ重点施策の主な内容を中心にご説明を申し上げましたが、これまで以上に「選択と集中」に努めるとともに、将来にわたり持続可能な発展と市民サービスの提供を目指し、予算を編成したものでありますので、議員各位のご理解を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

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