哲学
日本人初の哲学者、西田幾多郎が生まれたまち
深い人生の悲哀でなければならない。
哲学者・西田幾多郎とは

1870(明治3)年、石川県かほく市に生まれた西田幾多郎は、生涯の約半分を石川県で過ごしました。金沢の第四高等中学校、東京の帝国大学を経て四高教授、のち京都帝国大学教授として活躍。『善の研究』をはじめとする多数の著作を通じ、「西田哲学」と称される独自の体系を構築しました。
退官後は鎌倉と京都を往復する生活を送り、1945(昭和20)年に75年の生涯を閉じました。
「私の生涯は極めて簡単なものであった。その前半は黒板を前にして坐した、その後半は黒板を後にして立った。黒板に向って一回転をなしたと云えば、それで私の伝記は尽きるのである」と自ら語ったその人生は、度重なる家庭内の不幸に苦悩し、思索に苦闘する日々でした。
「人は人 吾は吾なり とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」という晩年の歌に、己の道を貫いた哲学者の姿勢が表れています。
「哲学」が息づくまち、かほく
日常生活の中で「なぜ、なんのために」と問いかけることは、実は哲学の第一歩。
かほく市では、この哲学を身近に体験できる環境があります。
日本で唯一の哲学の博物館「石川県西田幾多郎記念哲学館」を有するほか、小学校での「哲学対話」の授業や、気楽に語り合う場としての「哲学カフェ」など、日常的に哲学に親しむ機会があふれています。
01哲学のはじまりは、ここから
日本で唯一の「哲学の博物館 Museum of Philosophy」である「石川県西田幾多郎記念哲学館」。哲学を身近に、わかりやすく学べ、思索体験も楽しめるミュージアムです。西田幾多郎の業績やゆかりの品とともに哲学を発信していく施設として、世界的建築家・安藤忠雄氏が設計しました。
「思索の道」と名付けられた、駐車場から建物までの道は、あえてまっすぐに作られていません。道の周りに植えられた桜やツツジ、萩などの四季折々に変化する風景の中で、思索しながら散策を楽しむことができます。
「考えること」をテーマにつくられた館内は、複雑な迷路のように入り組んでいます。来館者が館内を迷いながら、考え、進むことができます。
また、展示にも自ら考えるきっかけとなる仕掛けが数多く用意されています。西田幾多郎を中心とした、さまざまな思想家たちの言葉は、来館者の「考えること」の手助けとなるでしょう。
02「哲学」から生まれた「にゃんたろう」

マルティン・ハイデガーの生まれ故郷であるドイツ・メスキルヒ市と、西田幾多郎の生誕地であるかほく市。世界的哲学者の生まれ故郷である2つの町は、規模や自然的・文化的風土が似ていることから、姉妹都市提携に至り、これまでお互いのまちを訪問し合う交流を続けてきました。
メスキルヒ市では毎年猫をモチーフにしたカーニバル(ファスネット)が開催され、市民が特徴的な猫の仮面をつけてパレードを行います。また、西田幾多郎が大の猫好きだったことにちなみ、かほく市の夏を代表するイベント「サマーフェスタinかほく」では、猫の仮装をしてダンスやパフォーマンスを披露する「猫にゃんグランプリ」を開催してイベントを盛り上げています。
かほく市マスコットキャラクター「にゃんたろう」は、これらの猫にまつわる縁が重なって誕生しました。いわば、「哲学」から生まれたキャラクター。今日も「にゃんたろう」は、まちのさまざまな場所で、かほく市を盛り上げる活動に取り組んでいます。
(写真上段)サマーフェスタinかほく「猫にゃんグランプリ」
(写真下段左)かほく市マスコットキャラクター「にゃんたろう」(左)とPFUブルーキャッツ石川かほくマスコットキャラクター「ブルーニャ」(右)
(写真下段右)ドイツ・メスキルヒ市伝統のお祭り「ファスネット」
03哲学を、語り、学び、楽しむ
哲学館では、哲学を身近に感じるための多彩な取り組みを展開しています。かほく市独自の教育プログラム「ふるさと教育」の哲学実践として、小学校では身近なテーマを題材に「哲学対話」を行っています。テーマについて感じた率直な気持ちを言葉にしながら、参加者全員でさまざまな考えを共有し、ゆっくり、じっくりと考えます。中学校では哲学館見学と講義を通して、西田幾多郎の生涯から哲学までを学びます。
一般向けには、1990(平成2)年から続く「哲学講座」で哲学・宗教・芸術・倫理などを学べるほか、気軽な雰囲気で語り合う「哲学カフェ」も好評です。さらに夏には「哲楽夜市」が開催され、音楽や飲食を楽しみながら哲学に親しむ一夜となります。哲学を通じて、考え、つながる喜びを体験できる場として、多くの人々に愛されています。












